買取トラブル、高額キャンセル料

自動車買取を依頼し契約したBさんの事例です。家族で愛用していた車を、25万円で中古車買取業者に売却することを決めました。それは誰かに相談したとか、どこかと比較したということでもなく、長年乗っていなかった車を車庫に置いていたところ、中古車買取業者がやってきてこの車を売ってはくれないかということだったためです。どうせ乗っていない車だということもありその場で契約を交わしました。しかしそのことを後から家族に話すと長女が免許をとってから乗ろうと思っていたということになり話し合いの結果売却は取りやめることになりました。そして契約から3日後に中古車買取業者に連絡しキャンセルを申し出ました。するとキャンセル料金として10万円を支払うようにということを言われたのです。25万円で売却を考えていた車だったのに10万円のキャンセル料金では納得がいかない、そう伝えました。

すると契約書の裏に記載してある約款にキャンセル料金についても明確に記載があり「売主が解約を申し出た場合には、売買代金100万円の場合、一律10万円のキャンセル料金とする」と記載されているということでした。確かに契約書を裏返して見るとそのような記載がありましたが、契約の際にはそのようなことは説明はされておらず、キャンセル料金があまりに高額のため支払いたくは無いのです。はっきりと言えば、契約書というものを甘く考えていると言わざるを得ない事例です。公的な書類、正式な契約書に自分で名前を書くということは非常に責任の重いことなのです。さらにこの契約書にしっかりと記載してあるキャンセル料金に納得したからサインをしているということにもなるのです。しかし、今回の場合には救済措置があります。正直にいえば泣き寝入りしなくてはならないのは中古車販売業者の方です。

消費者契約法に定められている事項によると平均的損害を考慮したうえで解約料金、キャンセル料金といった金額が決められるものであると定められています。中古車買取業者が契約の書面を交わした時から、オークションに出品を予約、オークション会場に車両を運ぶ、落札者が決まったなど中古車販売業者の事務処理の状況の段階によってその平均的な被害額は変わってくるというものでした。今回の事案の場合には契約してから3日というのが鍵になっています。普通であればこの時点では何も進んでいないと思うでしょう。しかし迅速な中古車販売業者であれば充分に準備が進んでいる段階のはずです。一概にキャンセル料金は支払わなくて良いと言いきれるものではありませんが、こういった事案の場合にはおおむねキャンセル料金は支払う必要は無いとされることが多くなっています。